次世代省エネルギー基準マニュアルにて在来工法の高気密高断熱設計施工を簡単に低価格、確実な性能にて建築するためのマニュアルwebです。付加価値として高耐震住宅になりますし住宅性能評価作成にもご使用頂けます。LCCM住宅等のエコ住宅にもご利用下さい。

掲載情報

掲載開始日:令和3年9月6日   最終更新日:令和6年4月20日

  • 気密測定
    平屋の21坪住宅

  • 測定値結果
    総隙間面積120÷延べ床面積69.405平米=C値1.7

プロフィール

老兵の私が早期引退して約10年程度が過ぎました。コロナ過になり、外へ出かけることもなく暇つぶしにWeb等を拝見していたところ、以前携わっていた高気密高断熱住宅のページに目が止まり拝見してみましたが、「昔携わっていたころと基準内容など、あまりが変わってないな!」と感じました。色々なwebを見てみると、私が勉強してた頃と同じく無駄な建築設計施工が多いのに気が付きました。「ここをこうすれば簡単に低予算で良い高気密高断熱住宅ができるのに・・・・」

そこで、業者間ライバルなど一切しがらみがなくなった今こそ、私が勉強して極めた工法も、もう私には必要がない、高気密高断熱住宅のマニュアル公開を実行しようと考えました。
このWebをみれば次世代省エネルギー基準に適合した住宅の設計施工が簡単に低予算で出来るようになります。
このwebは無料公開出来る場所をお借りしてますのでページ数や掲載写真枚数に制限があり画像など沢山ご紹介出来ないのでご了承下さい。

自宅も高気密高断熱住宅にて15年程前に設計施工し今も居住しています。当時は居住しての実験台となり改良に役立てました。現在も高気密高断熱高耐震の恩恵を受けています。

設計会社の方、建築会社の方、一般の方で建築予定があるなど高気密高断熱の住宅施工に興味がある方、興味があれば御覧頂き活用してください。

高気密高断熱の設計施工にて注意すべき箇所とオリジナル施工方法を各項目にて説明いたします。
10年程前の国の断熱基準にて作成してありますので、最近の断熱基準は各自にてお調べ頂き、ご利用下さい。(10年前も今も施工は変わりません。)
また記憶が曖昧な事があるかもしれませんが、その場合にはお許しください。
なお、この業界に携わる方ならご理解頂けると思いますが、当時のお施主様の特定が出来ないように建築地域、私の居住地、氏名などの個人情報にかかわる詳細については未公表とさせて頂きます。

当時の私が設計施工していた基準値は・・・
 次世代省エネルギー基準Ⅲ地域準拠
  断熱性能:等級4
  相当隙間面積:2.0以下
  屋根又は天井 熱抵抗値4.0m2・K/W
  壁      熱抵抗値2.2m2・K/W
  床      熱抵抗値3.3m2・K/W
  開口部    玄関K3 サッシ複層
       (A12)  アルミ樹脂複合
  換気     第3種換気システム

物件により(施主希望や地域により)断熱性能をⅡ地域仕様にて施工。
残念ながらⅠ地域は全く別物になるので設計施工はしていません。

私も当初は、一般在来工法しか知りませんでしたので、某メーカーの高気密高断熱の講習を受講し高価な断熱パネルを仕入れて四苦八苦したものです。高価な仕入れを行えば利益が減り施主様の負担が増えていきました。
これは何とかしないとと考え少しづつ改良を行いました。この施工は在来工法を行ってきた方なら何方でも施工出来る方法です。
特殊な施工もないので大工+監督+断熱工事責任者(兼任可能)にて施工出来ます。断熱材の吹き付け施工など別業者を増やす必要もありません。
もちろん当時はフランチャイズによる気密測定も行いC値は1~2を確実にクリアしています。
気密施工は行えば行うほどC値は良くなりますが自己満足の世界になり負担が増えます。
私も一時はC値を良くすることに熱中しましたが副資材(気密シート、気密テープ、ブチルテープなど)と施工手間、チエック箇所も増え施工費が増大しますので最終形として、第3種換気システムに最良なC値1~2に設定しています。
私の考えは断熱性能が上がり結露なく性能機能が発揮出来れば良いと言う結論に達しました。
改良を繰り返した最終フランチャイズ契約時の購入パネルでもはけっこう隙間が多くて後気密施工が大変でしたが、それでも後気密処理を行うことで良い数値になりました。
この工法は経験から得た気密処理が最小になる施工方法です。
C値を1~2に保つ設計施工はこのwebにて簡単に出来る様になります。

高気密高断熱住宅は設計にて全てが決まります。また施工工程表作成も非常に大事です。
間取りプランが決定したら高気密高断熱住宅に適合するように各所の検討を行います。

設計編
次世代省エネ住宅の設計

プラン

プランを行うには高気密高断熱住宅の設計ポイントがあります
プランで大事な個所は暖かい家が良いか涼しい家が良いかの希望を施主に伺いどちらかに少しシフトする事です。
当然断熱性能はありますが、軒のない家の場合、直射日光が入りますので夏は不利ですが冬は有利になります。
日射遮蔽が一番のポイントになりますが、施主の外観希望もありますのでこの点を必ず説明して下さい。
私の居住地域の冬は朝冷え込み昼は快晴なので昼間に太陽の熱を取り入れすれば暖房はほとんど不要です。居住地域もプランには重要です。
この辺の話は他の媒体情報を参考にして下さい。ここでは設計施工を極めましょう。

換気扇の選定

システムキッチンは必ず同時吸排を選定して躯体からφ150のアルミフレキダクト2本が設置出来るかのチエックを行ってください。
換気扇の承認図を手配してキッチンの天井高内に収まるか、梁の下を抜くことが出来るか、ダクトの吸気方向と排気方向の向き確認が大事です。
ユニットバスの換気扇は逆流防止シャッター付き普通排気換気扇で十分です。24時間換気扇が機能してもUB換気扇から外気を吸気する事はほとんどありません。
ただし必ず天井換気扇とします。φ100のアルミフレキダクトを1本にて排気しますので結露水の水勾配がとれる配置確認をキッチン同様に行います。(ユニットバス本体を施工されるとユニットバスの換気扇ダクトの気密処理が施工しずらくなるので先行配管を必ず行います)
24時間換気扇は第三種換気システムを使用します。工事が簡単でパーツが少なく、電気代もお得です。
ただし必ず気密性能C値1.0~2.0を確保します。
私の場合はキッチンダクトとUBダクト及び24時間換気扇の墨だしと設置及び換気配管工事を自分で行いました。
24時間換気システムは1階と2階に本体を分けて設置しますので各室内吸気個所が決定し図面が出来たら換気扇メーカーにて圧力損失計算書を取り寄せます。(各部屋の面積と天井高が必要です)
ダクト長や吸気個所数などにより本体の大きさが選定されますので建築確認申請書や住宅保証会社から請求された場合に提出できるように準備しておきます。私の場合は確認申請と保証会社書類に添付して提出しましたし、施主への見積根拠として提示しました。
24時間換気システムの設置個所は洗面所や納戸などの天井高が低くできる箇所で長く人が滞在しない箇所に設置しGW断熱材にて消音を行ないました。寝室の設置は厳禁です。
24H換気の点検口は600角にてアフターが容易になるようにします。
自然吸気システムはリクシルのサッシ内蔵の換気框にて施工の省力化を行います。当初は各メーカーの吸気口を設置していましたが施工に労力が必要なのと価格が高く、メンテナンスも大変なのでサッシ内蔵に切り替えました。
24時間換気システム本体もフクビ→エモト→パナソニックと変更しています。
最終使用の24時間換気システムの品番はFY18KED1等ですが能力は圧力損失計算により決定します。

鋼製建具

アルミ樹脂複合ガラスA12などをメーカーなどの情報により選定して下さい。

玄関と鋼製建具は基準以上の物を使用しないと、結露でびっしょりになりますのでご注意ください。
引き違い建具のほうが気密性能には不利ですが気密性能C値1.0~2.0には全く問題なく多用しました。(和風平屋で多数設置もあり)現在居住の家も引き違い窓が多いですが窓を締めた時の隙間風は感じません気密測定でも問題ありません。逆に季節が良い時は窓の解放を楽しんでます。やはり引き戸は使いやすいですね。

基礎


基礎においては在来工法と同じ工法ですが、UB設置基礎部からは室内と考えますので次の施工が必要です。UB設置個所はUB側に20ミリ厚程度の板状断熱材を型枠内に設置し生コン打設をします。
後日接着するより気密が保ちやすいからです。
UB個所は室内として考えるためにUB工事前に基礎パッキン箇所を発泡ウレタンにて気密断熱処理を行います。
人通孔の個所もUB施工前に板状断熱材(基礎厚内程度)で塞ぎ発泡処理にて気密断熱を行います。
ここで使用する断熱材は熱伝導率等はあまり気にせず、出来るだけ水に強くて断熱気密を良くする素材を選定します。
基礎立ち上がり部材が厚いとUBに干渉しますので20ミリ程度とし、UB床には水漏れ時の排水口(フクビ製土間水抜)設置のため敷き込みしません。(断熱材の厚みは布基礎部幅より選定)
土間に水抜きがないと、もし水漏れがあると水の逃げ場がありません。床に敷き込みの必要性がある場合にはコンクリート耐圧土間下にて断熱が良いかと思います。
堀コタツ設置の場合は床と壁(大引下設置)などを断熱材で囲み発泡ウレタンにて断熱切れがないように施工してから、この場所だけは気密シートを設置します。
私の家では堀コタツを設置しましたが電源を入れた事がありません。コタツ布団があれば人間の熱で十分だからです。人数が多く集まる正月などは暑すぎるのでコタツ布団は掛けません。
発泡ウレタン吹き付け個所は他に玄関の内部土間タイル仕上げ個所があります。コーキング材を併用して気密処理を行います。
また、梁など羽子板等のボルトが外部と内部を貫通している箇所は熱橋となりますので発泡処理を行います。

画像奥がUB断熱箇所  設備配管終了  この後土間掃除をして 土台からの床工事です

構造躯体

構造躯体は在来軸組工法にて施工します。パネル工法などの躯体はクレテック金物などが相性が良く当初は使用しましたが、建て方までの保管が大変です。
広い個所に仮置きが必要で、かさばるので運賃も多額になります。告示1460号が告示された当時は柱頭柱脚金物の選定が大変だったので重宝しましたが、今では無料ソフトなどで柱頭柱脚金物の計算選定が簡単にできますし金物を減らす事も出来るのでので在来工法にて金物を選定するのが良いかと思います。
ちなみにクレテック金物等は基礎から床方向に金物特有の開口があるので断熱気密には不利です。もちろん1、2階の梁接合部にも空洞があります。この空洞の断熱処理が大変なんです。
パネルとクレテックの相性が良いと言うのは在来軸組の羽子板ボルト等がパネルと干渉するのが良くないと言う事だと思います。対策は技術編にて記載します。

図面

高気密高断熱住宅設計に必ず必要なのは
基礎伏図
換気図
建具図
断熱材仕様図
電気図
住宅設備承認図
構造材図(プレカット)
告示1460号金物配置図

上記が施工に必ず必要な図面となります。

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